仲休み


キーンコーンカーンコーン・・・



よっしゃー!終わったーーー!!!
これで又バスケができるぜ!


今日は夏休み前、期末テスト最終日。
俺はどんなにこの日も待ちわびていたコトか。
期末ってのはムダに科目が多くてほんといやになる。バスケ一筋の俺には余計に必要ないものだしな。
おかげでカラダなまりまくり。
「鈴鹿―!これからどうする?」
「コンビニ行って昼飯買ったら体育館直行する!先行ってろ」
「わかった」
俺はカバンを持って教室を飛び出した。コンビニまでダッシュだ。
お、ふらふらと歩いてくるヤツがいる。
!」
「ん・・あースズカー・・」
のろい動作で顔を上げるのは普段仲良くしてる
「終わったな!テスト!」
「おー!終わった終わったースズカーうれしそーだねー・・」
「そりゃな。思いっきりバスケできるしよ!」
「別にやってたじゃん。テスト期間中も。公園で」
「それだけじゃ全然もの足りねーよ」
げ、コイツ見てたのか。
「にしてもお前やつれたなー」
クラス違うからテスト期間中はずっと見かけなかったが。
こいつなんだか顔青くねーか?目の下にははっきりとくま・・。
元から細い体型がやけに目だって、なんか今にも倒れそうだ。
「スズカーは元気だねー」
「俺はお前と違ってテストなんかどうでもいいからよ。お前まさか、この五日間ずっと寝ないで勉強してたんじゃねーだろーな」
こいつならやりかねない。聞くところによると授業中はよく居眠りしているらしいが家ではちゃんとやってるらしい。そして結局毎回3位以内には入ってるのだ。
「まさか、そんなん死んじゃうよ」
「何時間寝た?」
「4時間」
「4時間・・お前よくそれで一日動いてられるよな。俺は8時間寝ないとぜったいダメだ」
「五日で4時間」
「へー、五日でって、は!?」
信じらんねぇ!ってコトは一日1時間も寝てねえってことじゃねーか。それって全く寝てないのとそんな変わんなくねぇか?
「お前ムチャすなんよ。早く帰って寝ろ!」
「はーい、そうするつもりっス・・」
そうこう話してる間に下駄箱に着いた。
はよろけながらクツを履きふらふらと校門とは別の方へ歩きだした。
「おい、どこ行くんだよ。帰るんだろ?」
「やっぱムリ・・余力が無いれす・・」
着いた先は人気の少ない校舎裏の教会があるところ。は近くにあった木にどさっと鞄を置くと倒れるように座り込んだ。
「お前こんな所で寝るなよ。ちゃんと家帰って寝ろよ!」
「ダメ・・とちゅーで倒れる・・・」
「・・・・・」
スーっと響く寝息。
マジかよ、こいつ本当に寝ちまいやがった。
しょうがねぇな。
の隣に俺も腰掛ける。
でもよ、いくら寝てないからってフツーこんなとこで寝るか?
だってこいつは女だろ!?
よく同じクラスのヤツらがの話をしてるの耳にする。頭が良い上顔も可愛い、そして藤井とつるんでいるくらい性格も明るい。
本人自覚ないがこいつはかなり目立つ存在なのだ。
ったくよ、無防備に寝顔なんてさらすなよ。
・・・お前ねらってるヤツ結構いるんだから。
「はー・・なんか腹減ってきたな」
あ!俺昼飯買いに行くんだった!でもってバスケ!!
あーでもダメだ。放っておけねぇ。
どうしたものかと考えてすぐ名案が浮かんだ。
そうだ、よし保健室まで運んでってやるか。あそこなら安全だ。
起こさないようにそーっとの肩に手を置く。
って。






ぐらり







え、あ、ちちょ・・おいっ、うわっ!




が倒れこんできた。
・・・・・・。そして、
こいつは今・・俺の膝の上で気持ち良さそうに寝てる。
「う・・動けねぇ・・」
起こすのは可哀相でできない。
顔にかかってる髪を払ってやるとさらさらと心地よい感触が指に残る。晒された寝顔の目の下のくまが痛々しい。


大体お前は頑張りすぎなんだよ。こんなんなるまで勉強なんて・・。




「ま、今日のところは貸しだな」














「おー!二人ともこんなとこおったんかい、探したでー!なな、これからパーット遊びにいかへん?・・ってなんや二人そろって寝てるんかい」
姫条は木陰で仲良く寝ている鈴鹿との顔を覗き込んだ。
二人とも起きる気配が無い。
「こないなトコで寝るなんて自分らホンマにガキやなー」
姫条は持っていたうちわでパタパタと二人を扇いでやった。





兄さんはなんだか友情出演みたいな出かたです(笑)

あー!!スズカーに膝枕スズカーに膝枕ーー!!
普通は逆なんでしょうが私は断然されたい側です!!
もうこれだけが書きたくて発作的に書いてしまいました。
次はにーさんに肩車ですv(笑)02.7.23