ぱちり ぱちり
自分の部屋で暖かい陽だまりの中、好きなだけパズルができる時間。そんな穏やかな午後の日曜日。 だけど―
ぱちり ぱちり
彼女の指が丁寧にパズルのピースを嵌めていく。ひとつひとつゆっくりと。 今日はいつもと違う特別な日曜の午後。
Love scene 「部屋」
は今パズルに没頭している。 机だと狭いとが言ったので床の上で二人、向かい合ってパズルを進めていく。 取り合えず最初は薔薇の絵のパズルから。白と赤の薔薇が一本づつ対照的に描かれているこのパズルは1000ピースあり、白い薔薇の部分を自分が、赤い薔薇の部分をが担当し作っていくことになった。 窓からあたたかな陽射しが射し込む部屋でパズルのピースを嵌める音だけがかすかに響ていく。 少し姿勢を崩しゆるやかに伸ばされた足と真剣にピースの絵柄を追っていく視線。 のこういう顔は珍しい。 普段はよく笑い感情がストレートに出やすい彼女はころころと表情を変える。そんなを誰もが可愛いと賞賛する。 確かには可愛い。でも いつも元気に肩の上で揺れている髪は顔の輪郭を包み込むようにすとんとおろされ、淡い光を反射している。半ば伏せられた睫が頬に色濃く影を落とし、ゆるく閉ざされた口元はいつもと違った印象を与えた。 細い指、形の良い爪、長い睫、白い肌、真剣な表情。
はキレイだ。
「薔薇はね・・」 そっと呟くように紡がれた言葉。聴き入っていたいやわらかな声。 「葉月のイメージ。だからこれ選んだの」 「俺・・?薔薇は、お前だろ」 植物園でのやり取りが思い返される。も同じようでクスと小さく笑みを零した。
こんな何気ない時間が愛しいと思う瞬間。彼女の全てを留めておきたいと切に願う。
「葉月の言った通りだね。パズルやってる時すごい集中する。頭の中真っ白になる」 「・・そうか」 俺はに見惚れてた。頭ん中、お前の事ばかり。 「うん、すっごく楽しい」 そう言っては晴れやかに笑う。
普段見れない真面目な顔もいいけれど、きっと笑った顔がいちばんキレイ。
こんな時間が日常になってくれれば。 それが二人の永遠。
みじかっ!!時間が無く「部屋」の方は撃沈。 こういうラブ物は少々痛い切な系の方が書きやすいんですが 「誕生日にそりゃねーだろー!」って事でホノボノになりました。 タイトルLove sceneここでは使い方思いっきり間違ってます(私の愛する風景みたいな意味で使ってますが) 本来の意味は映画とかドラマで使われているのが正しいので間違えないでね! 「部屋」の王子かなり危ないな・・手が出る一歩前02.10.16
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